不安な一夜
2001年7月14日数理社会学会の学会誌『理論と方法』への投稿論文の査読結果が返ってきた。結果は、きわめて厳しい。かぎりなく「掲載不可」に近い。
ぜんぶぐらい書き直せば、もしかしたら掲載されることも、あるかもね、というくらいの結果だった。厳しい。
しかし、どんな分野からも規格外の論文であることを考えると、即座に却下されなかっただけでも、良しとすべきかもしれない。
と思って、とりあえずがんばって書き直してみることにする。
一度、大幅に書き直して、レフェリーの反応が悪かったら、仕方ないが。
それで、今日は気をひきしめていた。
昨晩は、また将来への不安で、真暗闇に吸い込まれて、自分が消えてしまいそうな恐ろしい心境を味わっていた。
これが、どんな鬱よりも、一番恐い。死の恐怖だ。ほんとに、すぅーっと、消滅しそうなのだ。
でもこれは試練なんだ、コペの人生もだいぶ擦り切れた感じだったので、ここ一番、プライドを捨てて、黙ってきり抜けることができたら、気分が刷新されて、また前向きに歩き出せるかもしれない。
そう思って、気持ちを落ち着かせようとした。
つらい一晩だったが、なんとか耐え抜いた。
今日、買った本:
1)鷲田清一『悲鳴をあげる身体』(PHP新書)
読書会用。大岡山の「現代屋」で手に入った。目次を見ると、竹内敏春に関心が近い感じ。
2)橋爪大三郎『現代思想はいま何を考えればよいのか』(勁草書房)
師匠の本。東欧共産主義崩壊のころに書かれた社会主義論考が中心。
新丸子の「甘露書房」で。
3)ジークムント・バウマン『リキッド・モダニティ』(大月書店)
最近出た本。コペの研究関心に近そうなので欲しかったが、古本で
ほぼ半額で買えた。いまの時点でこれは底値でしょう。
さすが「甘露書房」。良い本が安い。
4)入江隆則『敗者の戦後』(徳間文庫)
田園調布のブックマートで購入。ナポレオン戦争、第一次大戦後のドイツ、大東亜戦争後の日本を比較し、敗戦国の「普遍的戦後論」を試みたもの。
敗戦後処理、実は、近年話題の「トラウマ」について考えるうえで、非常に重要なテーマであると、コペは考えている。
人間的記憶の問題において、トラウマのもつ本質的な意義は、考え直さねばならない。これは、おそらく今後のコペの研究のひとつの中心になる。
そのために、
・アラン・ヤング『PTSDの医療人類学』(みすず書房)
が一番の基本図書になるだろう。
さらに、人間的記憶の本質とトラウマ、という角度からすると、ペット社会学への関心の焦点が絞られてくる。
・ニコラス・ドッドマン『うちの犬が変だ!』『うちの猫が変だ!』(いずれも草思社)
がスタートになる本。長い歴史をもつ動物-人間関係だが、生活空間をともにして長時間接するようになったのは、ごく近年のことであり、それにともなって、いわば犬や猫のアダルト・チルドレン(この言葉は訳者が解説で使っている)的現象が起きているという内容。
動物と人間のちがいを、PTSDという視角から比較できるだろう。
ついでに動物との比較でいえば、人間が本能のこわれた動物であるという話にもとづいた人間学で
・アルノルト・ゲーレン『人間学の探求』(紀伊國屋書店)
が最重要。今もって、きわめて評価の高い本だ。
昨夜の精神的な危機を通過して、やや研究の方向性が整ってきたかな。
夕方、クさんと、お弁当でも買おうとスーパーへ出かけたが、いいものがなかったので、なぜか2人ともビールとイカソーメンを買って、研究室で仕事しながら飲み食いするという
怪しいことに。でもちと楽しい。
ぜんぶぐらい書き直せば、もしかしたら掲載されることも、あるかもね、というくらいの結果だった。厳しい。
しかし、どんな分野からも規格外の論文であることを考えると、即座に却下されなかっただけでも、良しとすべきかもしれない。
と思って、とりあえずがんばって書き直してみることにする。
一度、大幅に書き直して、レフェリーの反応が悪かったら、仕方ないが。
それで、今日は気をひきしめていた。
昨晩は、また将来への不安で、真暗闇に吸い込まれて、自分が消えてしまいそうな恐ろしい心境を味わっていた。
これが、どんな鬱よりも、一番恐い。死の恐怖だ。ほんとに、すぅーっと、消滅しそうなのだ。
でもこれは試練なんだ、コペの人生もだいぶ擦り切れた感じだったので、ここ一番、プライドを捨てて、黙ってきり抜けることができたら、気分が刷新されて、また前向きに歩き出せるかもしれない。
そう思って、気持ちを落ち着かせようとした。
つらい一晩だったが、なんとか耐え抜いた。
今日、買った本:
1)鷲田清一『悲鳴をあげる身体』(PHP新書)
読書会用。大岡山の「現代屋」で手に入った。目次を見ると、竹内敏春に関心が近い感じ。
2)橋爪大三郎『現代思想はいま何を考えればよいのか』(勁草書房)
師匠の本。東欧共産主義崩壊のころに書かれた社会主義論考が中心。
新丸子の「甘露書房」で。
3)ジークムント・バウマン『リキッド・モダニティ』(大月書店)
最近出た本。コペの研究関心に近そうなので欲しかったが、古本で
ほぼ半額で買えた。いまの時点でこれは底値でしょう。
さすが「甘露書房」。良い本が安い。
4)入江隆則『敗者の戦後』(徳間文庫)
田園調布のブックマートで購入。ナポレオン戦争、第一次大戦後のドイツ、大東亜戦争後の日本を比較し、敗戦国の「普遍的戦後論」を試みたもの。
敗戦後処理、実は、近年話題の「トラウマ」について考えるうえで、非常に重要なテーマであると、コペは考えている。
人間的記憶の問題において、トラウマのもつ本質的な意義は、考え直さねばならない。これは、おそらく今後のコペの研究のひとつの中心になる。
そのために、
・アラン・ヤング『PTSDの医療人類学』(みすず書房)
が一番の基本図書になるだろう。
さらに、人間的記憶の本質とトラウマ、という角度からすると、ペット社会学への関心の焦点が絞られてくる。
・ニコラス・ドッドマン『うちの犬が変だ!』『うちの猫が変だ!』(いずれも草思社)
がスタートになる本。長い歴史をもつ動物-人間関係だが、生活空間をともにして長時間接するようになったのは、ごく近年のことであり、それにともなって、いわば犬や猫のアダルト・チルドレン(この言葉は訳者が解説で使っている)的現象が起きているという内容。
動物と人間のちがいを、PTSDという視角から比較できるだろう。
ついでに動物との比較でいえば、人間が本能のこわれた動物であるという話にもとづいた人間学で
・アルノルト・ゲーレン『人間学の探求』(紀伊國屋書店)
が最重要。今もって、きわめて評価の高い本だ。
昨夜の精神的な危機を通過して、やや研究の方向性が整ってきたかな。
夕方、クさんと、お弁当でも買おうとスーパーへ出かけたが、いいものがなかったので、なぜか2人ともビールとイカソーメンを買って、研究室で仕事しながら飲み食いするという
怪しいことに。でもちと楽しい。
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