晴れ。
暑い。ほんとうに梅雨なのか。まだ、梅雨らしい時期は、やって来るのか。

キットラー『グラモフォン・フィルム・タイプライター』をついに買った。学芸大学駅の「本とうです。」で3900円。また宿題が増えた。


つくづく、人生は無意味だと思う。無目的と言ったほうが、すこし
具体的になるだろうか。現代に生きる者は、記号消費が日常化
しているから見えにくくなっているが、生産労働を主とする社会
では、やはり祝祭的な蕩尽がなければ、このしらじらとした無目的は
覆いがたいのではないか、などと想像してみる。バタイユの普遍的な
意義が立ち迫って来るようだ。

さらに死の欲動について思いを廻らす。
バタイユが供犠を論じているところから、死の欲動を連想するのは
簡単だけれど、もう少し迂回路を通ってみたい。
断念すること、報いられない気持ちを寄せること、否さらに、はじめの
瞬間からの報いの断念。届かない郵便。
「まばゆい光にメッセージを託しながら、自らは消えていく
言の葉(事の端)の霊」(野村喜和夫)
こうした、他者を消去し、さらに他者からの応答を受け取るべき
未来のキミといまのキミの同一性を消去すること。
この蕩尽が死の欲動だとすれば、私は、いまのままの私と身の回りを、
見知らない私と身の回りとして、受け取るようになる。
これは祭儀が世界を象徴的に蘇えらす効果とおなじだ。
そして受け取られた世界は、とても明るい。無と比べられるからだろう。
無意味Sinnlosの体験は、ほの明るさ、と隣り合わせている。

今日は、そんなことを思いながら、東急ストアで食材を買っていた。
吉増剛造さんの不思議な詩句を繰り返し、
意味もなく思い浮かべながら。
「こさかな、こさか
な、ここ、こさかな。」
(※「こさ」は、熊野を流れる古座川のこと)

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